日々ログ

看護師6年目 日常で感じたことから勉強した内容をアウトプットするためのブログ

チェルノブイリ

 

「嘘の代償とは?真実を見誤ることじゃない。本当に危険なのは嘘を聞きすぎて真実を完全に見失うこと。その時どうするか、真実を知ることを諦め、物語で妥協するしかない。人々の関心は誰が英雄かではなく、誰が悪いのかだけ…」

 

物語は一人の男性がテープに自分の言葉を録音しているところから始まる。

 

いきなりグサッとくる重い言葉ですよね。この言葉だけで心奪われました。

 

今回、観たのはHBO局制作の全5話のドラマ

『CHERNOBYL(チェルノブイリ)』

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1986年4月26日1時23分 当時のソビエト社会主義共和国(現ウクライナ)にてチェルノブイリ原発事故を題材にしたドラマです。

 

個人的に海外ドラマはあまり見ないほうなのですが(長くてしんどいから)

実際に起きた史上最悪の事故を題材にしていること、社会主義国家がもたらす政治の衰退に興味がありました。またアメリカで放送されたときの評価がかなり高かったことからこのドラマを見ようと踏み切りました。しかも5話完結、楽!

 

実際に起きた事故なのでネタバレになるかは微妙なラインであるけどすこしだけ感想を

 

1988年4月 事故から2年後、一人の男性が冒頭に話した内容をカセットテープに残し命を絶つ。なぜ自殺に至ったのか、テープに残した内容は…それを事故発生の2年前に遡り追っていく。

 

前半では事故発生から絶望的な状況を生々しく映し出す、その後、本作の主人公となる核物理学者のヴァレリー・レガソフとソ連閣僚会議の副議長ボリス・シチェルビナが事故の収束に向けて反発しあいながらも奮闘していくのだが、そこには保身のために嘘に嘘を重ねた報告や事故を隠蔽しようとしていたソ連政府のダメダメな対応があらわになっていく。また多くを語られないまま除染作業にあたり犠牲になった多くの人を描いていく。レガソフは果たして事故を収束できるのか、事故発生の原因追及、ソ連政府の隠蔽と嘘、そして政府に監視され自身を犠牲にしても尚、真実を世界に公表できるのか。腐った政府と事故と向き合った英雄たちの人間ドラマと事故の悲惨さを描く。

 

「権力は腐敗する絶対的権力は絶対的に腐敗する。」というイギリスの歴史家ジョン・アクトンの有名な言葉があります。いつの時代も独裁政権は腐敗するものです。国や自身の権力を保身した結果、嘘の連鎖を引き起こし、対応が遅れ事態の深刻化を招いた悲惨な事故でした。実際の事故で重苦しいテーマだからこそ考えることも多かった。

 そして原発は人々に裕福な暮らしをもたらすが、事故の代償はあまりに大きい。

日本でも福島の一件から原発を停止し火力発電で約80%補っていたこともあるが個人的に火力発電の環境破壊は大きく原発の停止にすぐには賛成できない。現状、原発は必要悪であるが、中長期的にみて原発に代わるエネルギーが必要なのではないかと考えた。このドラマをみて原発について各々が考え、意見を持ち、日本の未来について考える必要があると思う。